遠くて近い現実
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 冷え切った部屋で目を覚まし、サンジはブルリと震えた。
 気付けばソファで何もかけずに寝ていた。
 まだ辺りは真っ暗で、自分がどこにいて何をしていたのか一瞬分からなかった。ただ、何故寒いのだろう、とぼんやりと考えて深く重いため息をついて腕で目元を覆う。
 ここで寝ても、もう毛布をかけてくれる…もしくは部屋まで運んでくれる人などいないのだ。
 一人だ。
 そう意識したらもっと寒くなった気がして、サンジはゆっくりと起きあがった。
 何か羽織るものを、と思って暗い中目を凝らせば、ローテーブルの上に置かれているウイスキーの瓶とグラスが目に入る。その横には書きかけのレシピ用の紙の山。つい苦笑が漏れた。
 昨夜いつものように家を訪れて、作っていた食事を嵐のように食い散らかした面々は、皆はそれぞれに約束があると早々に引き上げた。
 だから時間を持てあまし、こんな時こそ料理だ、と頑張ってレシピを考えているついでに、酒を呑みすぎたのだ。妙に人恋しい感じがしたのも一因だろう。微妙な寂しさは余計に呑みたさを誘導する。そういう時には腰を据えて、ゆっくりと舐めるように飲むウイスキー系だ。
 ついそう思ったのは、一人で呑んでいたゼフの後ろ姿を見てきたからだろう。ああいう姿がカッコイイんじゃないかと密かに思っていた子供時代を思い出し、苦笑じみたものが口元を過ぎる。
 親の背中を見て育つという言葉があるが、本当にそういうものらしい。まだ若いというのに、最近そんなことも考えるようになったのは、きっとゾロのせいだ。
 自分は保護者ではなかったと思い知ってからこっち、ゼフのことも考えるようになったのだ。
 ゼフを思い出して、ふとサンジは片付けていた手を止めた。たまたま手にした一枚は、もうちょっと形になったら提出しようと思っている、クリスマス料理の一品だ。
 最近ゼフの様子がおかしい。
 どうも心あらずで、呆っとしている時が多いのだ。かと思えば、おもむろに目に力を込めて仕事をこなし、サンジを見ては深い深いため息を零す。
 そんなゼフにぶち切れて、つい喧嘩になっているのは、サンジのせいではない。
 そんな日々が暫く続いている。
 こういうことを放置しておくと、ろくでもない結果を生む。ゾロの時に身に染みたから、サンジも詰め寄って訳を問いただしてみたのだが、ガンとしてゼフは口を割らなかった。
 ただ、その時に、必ずといったようにゼフがなんとも言えない顔つきで、サンジを見る。
 今までみたことのないその顔に、とまどっていたのも確かだ。
「あんなボケジジイなんぞ、知るか」
 けっ、と毒づきつつ、寒さが襲ってきて慌てて紙類を束ねた。グラスを手にして、ウイスキーの瓶と共に踵を返してふと振り返った。
 真っ暗な部屋。薄明かりは外から漏れてくるものだ。このリビングのカーテンは少し薄くて、外の街灯の明かりが反射してわずかに室内を照らすのだ。
 ここで一人でいる時間が多かったのはゾロだ。
 ゾロもこんな景色を一人で見ていたのだろうか。
 いや、見ていたはずだ。どこででも寝るヤツだった割に、目覚めは悪くなかった。そういう時にはよくこんな風に見ていたのではないだろうか。
 それでなくても、自分は帰りが遅かった。
 そういう時は大概ゾロは明かりを消さずにいたかし、誰かを待つというのと一人でいるという違いはあっただろう。
 けれど。
 サンジは手元のグラスを見下ろし、舌打ちしたくなった。
 大勢の中にいても、一人ということがこの世にはあるのだ。
 自分が遅くなって寝ている時、皆が酔いつぶれていた時、毛布が掛けてあったりしたことがあった。あの時、誰も起きてもいない一人の空間で、この景色はどんな風にゾロの目に映ったのだろう。沢山仲間がいて、なのにあいつ一人だけが年が離れ、酒宴に参加できず、それなのに最後まで一緒にいて騒いでいた。半分強制だったが、ゾロも望んでいたと思いたい。いや、あれは絶対楽しんでいた。
 それでも本当はもっと…ゾロはゾロの友人というものを作れるようにしなければならなかったのではないだろうか。
 歩き出しながら、サンジが思い出すのはコビーの顔だった。
 中学生なら友達の方が親より優先するのは当然だ。サンジだってルフィ達全員と知り合ったのは中学からだ。勿論小学生からの流れはあったのだが、深い繋がりが生まれた時期はといえば、やはり中学だったような気がする。
 自分は無意識に、ゾロに関連した人間関係を、自分の友人達で固めようとしたのではないか。
 少し冷静になった今、そんなことまで見えてきた。
 どうやら自分は、ずっと。ゾロを独り占めにしたかったらしい。
 それが何から来ているのかは、いまだによく分からない。ゾロを自分の持ち物のように思っていたのだろうか。それともペットのような感覚だったのだろうか。
 どれも違うような気がする。
 ただはっきりしているのは親子のような、保護者として庇護する対象としてゾロを見ていたわけではないということだ。
 その間。ゾロは何を考え、何を見て……自分を見ていたのだろうか。
 思い至った瞬間、フラリと頭が揺れた。心臓が弾けるかと思える程に、大きく脈打った。
 ガッと自分が赤くなったのが分かった。コビーと話していた時にもこんな風になった時があった。
 恥ずかしい。なんだかもう、めったやたらと恥ずかしい。
 ゾロがどう自分のことを見ていたのかと、あの真っ直ぐな視線ごと思い出すと、その場を蹴り壊して回りたくなるくらい恥ずかしい。
 ブンブンと首を振り、逸れそうになった思考を戻そうと努力する。
 足早にシンクに向かい、グラスを水につける。
 そう、ゾロだ。あの寝腐れの藻のことだ。
 この家にいた時間はゾロの方が断然長かった。最初にこの家に来た頃には、学校からバラティエに寄ってここに帰ってきていた。自分もまだ学生だったこともあり、夕飯は家で作って食べていたし、バイトの時でも戻ってご飯だけは作って戻っていた。  道場にも通ってなかった小学生の時、ゾロはこの家で一人で何をしていたのだろう。
 一押しは寝ていただ。本当にあの子供はどこででも良く寝た。後は、躰を鍛えるのが趣味みたいな小学生だったから、無茶な運動をしていたりしたのかもしれない。
 一人がまったく苦にならない人間もいる。ゾロはそういうタイプだ。人がいてもいなくても、自分がするべきことをする。それが一番の念頭にあるからだ。だから自分がお節介などしなくても、ゾロは自分で自分の道を切り開いていっていただろう。
 …今と同じように。
 対して自分はと考えれば、正反対だと分かる。
 自分の周りには人が沢山いる、またいなければ何となく落ち着かない。一人でいることは大切だが、それはたまにのことであって、大抵は人の中で揉まれて自分を形作ってきたのだ。
 料理も修業も、大勢の人と共に切磋琢磨してきた。またしてもいる。競争ではあるが、それだけではない。人と一緒でなければできないこともあるからだ。
 これからもそうだろう。
 一人でなければできないことを主としているゾロとは、こんなにも違う立場に自分はいる。
 何故自分はゾロと同じ年ではなかったのだろうか。
 もし同じ年で、同じ時間を生きて目線を合わせていたら。もっとゾロの近くでこんなに悩まなくても、分かってやれたのではないだろうか。
 ふと、そんな考えが過ぎり、フルリと震えた。
 寒い。
 なんだかもう、どこもかしこも寒すぎる。
 ふらふらと歩き、自分の部屋のドアを開けようとして踵を返した。
 すぐ向かいにある別の部屋のドアノブを捻る。なんの抵抗もなく開いたそこは、薄暗い中でガランとした空間を見せていた。
 誰もいない。なにもない。年代すら飛び越えて何もかわっていない部屋。
 よろめくように部屋へ入り、サンジは整えられているベットに倒れ込んだ。ほんの一瞬、舞い上がった埃を吸い込んで、軽く噎せそうになったが、それより驚いて目を見開いた。
 微かに、ゾロの匂いがする…気がした。
 シーツをはぎ取り、サンジは夢中でそれを躰に巻き付けた。
 ベットの上を転げ回るように動き、枕を見付けて顔を埋めるとさっきよりもはっきりと、ゾロの匂いがする。
 お日様の匂いに混じった、ゾロの匂い。汗くさいし、男臭いのに、なんだかまだ若い木の幹を剥いだ時のような…そんな不思議と胸をかきむしられる匂いが。
「…くそっ…」
 小さく舌打ちして、サンジはきつく目を閉じた。
 あの子供がいない。
 傍にいない。
 いつの間にか大きくなった腕で、時にはきつく…きつく抱きしめるようにサンジを抱え上げ、運んでくれる逞しいヤツがいない。
 いつも気付いていた。目が覚めた時も何度もあった。けれど、絶対に起きたりしなかった。起きたくもなかった。…心地よかったのだ。忘れてなんていない。あの腕は、まるで特別だった。
 特別に    嬉しいものだった。
「なんなんだよ、これは。あのボケ迷子の脳たりんの…子供のくせに」
 中学生の子供だ。
 なのに…何故自分はこんなに惑わされるのか。
 枕に顔を埋めて、もっと深く息を吸い込む。ゾロの匂いを感じて、どこか躰の奥の遠い遠い所で、ぽっと熱が灯ったような。
     そんな感じがした。
「……酔っぱらってんだ…おれ…」
 目を開けるつもりはない。
 目を開けたらそこには、今の自分が嫌悪している現実がある。
「なんで…」
 眠りに引きずり込まれながら、サンジの脳裏を過ぎったのは、自分の前に仁王立ちになって両手を広げた小さな少年の、後ろ姿だった。



 「ところで、明後日はあけててくださいねMr,ブシドー。あ、また間違ってる。この間ここは説明した箇所です。説明は二度までだって言ってましたよね。最後ですから、良く聞いてくださいね! こういう時は    」
「あー…そうだったか…あ? 明後日?」
 ビビの説明をとりあえず真剣に聞きながらもシャーペンで頭をがしがしとかいて、突き返された用紙を覗き込んで唸る。そのまま、ふと聞き逃しそうになった言葉を思い出し、ゾロはビビへと視線を流した。
 一通りの説明を繰り返したビビは、ゾロの視線に気付いてにっこりと笑った。
 最近、笑い方がナミに似ているような気がする。そう思ったがこれは賢明にも口には出さなかった。
「そうです、今月十一日はMr,ブシドーの誕生日でしょう? 皆でお祝いしようって、そういう話になってますから」
「あ? 初めて聞いたぞ?」
「やだわ、Mr,ブシドー。自分の誕生日を初めて聞くなんて冗談はダメです」
「……いや、そこじゃなくて」
 時々ビビと話していると、こういったすれ違いがあることに気付く。最初はわざとそうしているのかと思ったが、どうやら違うらしい。これが天然というものなのか、と最近はなんだか不思議な心境に陥っているゾロだ。
「おれは誕生会をするっていうのを始めて聞いたって言ったんだ」
 きちんと言い直せば、ああ、とビビは納得して微笑んだ。
「そうですよね。誰も言ってなかったですから。でも、分かっていたんじゃないですか? だってこんな記念日、ルフィさんが逃すはずないじゃないですか」
 特に昨年ゾロの誕生日は把握されている。
 11月の11日なんて覚えやすさも加わって、確かに忘れてくれるのは難しいだろうとは思っていた。
「…どこでやるんだよ」
「勿論、サンジさんの家ですよ、Mr,ブシドーの家でもあるんですから当然じゃないですか」
 そうだろうと思った。
 ゾロは手にしていたシャーベンを投げ出すと、苦笑して伸びをした。
「あいつも当然いるんだろ? 料理作るわけだし」
「はい」
 ニコニコとあっさり告げるビビに、なんら問題があるような印象は受けない。
 まるで何もなかったかのような顔に、しかしゾロは固いものを見たような気がして、じっとビビを見つめた。
 何故だろう、ダクッと汗をかいているような印象がある。普通にしているように、気張って装っているような…。
「……あんたも大変だな……」
 思わずそう呟いてしまうと、ビビは固まったまま、でもニコニコと笑って見せた。
「何が? 何も大変なことはないわ。ただ、そろそろいいんじゃないかなって、私もそう思ったの」
 それこそ何のことだ、とはゾロは尋ねなかった。
 ビビが言うことが何を差しているかは、国語の問題よりもはるかに簡単に意味が分かるからだ。
「おせっかい」
 軽く言えば、ビビは驚いたような顔をした。
「Mr,ブシドーがそう言うとは思ってもみなかったわ! すごい!」
「はあ!?」
「だって凄いじゃないですか、今までそんな風に私達のことを言ったことなかったでしょう? いつも蚊帳の外みたいな感じだったじゃないですか」
 今度はゾロの方が驚いたような顔をした。
 どういう意味か咄嗟には掴めなかったが、なんだかぐさりときたのだ。
「…蚊帳の外って、つまりあれだろ、遠くから見ているような…あー、他人事だったっけ」
「はい、よくできました。それです!」
 何でも授業風になるのは、もう仕方がない。ここ何ヶ月かで染みついた代物だ。
「でも嬉しいわ、そう言ってくれるってことは、私達がしていることの意味を分かってくれているってことでしょう? なら、言いますけど。Mr,ブシドー!」
「おう」
「本当にそろそろいいんじゃないかしら? いい加減ここら辺りで一度、きちんとサンジさんと話をしてみるべきじゃないかと思うの」
「…話することは、おれにはもうないぞ」
 断言するゾロに、ビビは大きく首を振った。
「Mr,ブシドーにないとしても、サンジさんにはあるはずだもの。あの日…あの日のこと、あんまり突然過ぎだったとMr,ブシドーだって思っているんじゃない? サンジさんにとっては、本当にあれこそ青天の霹靂だったはずよ。受け入れるのに時間だってかかっただろうし…何よりも、Mr,ブシドーが言っていたこと、どこまで理解できていたのか。正直私達にも分からないままだわ」
 それに対しては、ゾロは何も言えない。
 ゾロは全部をあの時吐き出して、全てをリセットしたつもりでいた。
 それどころか、あれ以降、サンジと顔を合わさないように、と気を回していたくらいだ。
 サンジもてっきり全てを理解して、自分をどう受け入れていいか分からないだけだと思っていた。今まで大切にしてきた養い子がいきなりとんでもないことを言って出て行ったのだから、それが当然だろうと思っていたのだが…。
「あ? わかっていない?」
「…ほんと言うと、私も良く分かってないのかもしれない」
「ホントかよ?」
 思わず突っ込んだゾロに、ビビは大きく頷いた。
 愕然としたゾロにビビは授業とは違う、優しいいつもの笑みを浮かべてみせた。
「それくらい、Mr,ブシドーは私達から少し離れた所に立っていたでしょう? それが急に全部話してくれて。私達にではなかったけれど、サンジさんにしたら余計にいっぺんに沢山のことを教えられて、どう取って良いか分からないこともあるんだと思うの。私も、分からないことが沢山ある。どういう意味なのか、分かりかねてて、誤解しそうなことがあるの。多分ナミさんなんかは、分かっているんだろうけど」
 何せ混乱しているサンジに、ゾロは全部を告白したんじゃないかと言ったのは、ナミだ。
「それでも、曖昧な部分はあるんだと思うの」
「全部理解しねぇとダメなのか?」
 静かな声が、鋭くビビを切った。元から強面のゾロだ。少し睨むように視線を強くすれば、普通の女性なら硬直する。
 けれどビビは、はっと顔を強ばらせたものの、引かずにゾロを見つめた。
「全部理解するなんて、無理よMr,ブシドー。分かっているんでしょう?」
「………」
「それでも、肝心な所が伝わってなければ、それはダメよ。一番悪い結果を出すことになる。本当はそうじゃなかったのに、間違った答えを出すことは…やっぱりいけないと思うの。そうじゃない?」
 答えないゾロは、ビビから視線を逸らさない。
 真剣にビビと向かい合ってくれていると分かるそれ。言葉ではなく、ゾロは態度や行動で人と向かい合ってくれている所がある。
 だから余計、一人で考えていてはダメなのではないかと、ビビは改めて思う。
「Mr,ブシドー」
「おう」
「大好きです」
      あ?」
 暫く考え込み、本気で仰け反ったゾロに、ビビはにっこりと笑った。
 硬直しているゾロに、ビビは優しく続ける。
「本当に大好きなんですよ」
 大混乱しているらしいゾロは、唖然としたまま動けずにいる。その目が驚きからほんの少し違う色に染まるのを見て、ビビは確信した。
「お前には、コーザっていう婚約者がいるんじゃなかったか?」
「はい。いますよ」
「じゃ    
「Mr,ブシドー」
 言い募ろうとするゾロの言葉に重ねて、ビビが柔らかく名前を呼ぶ。ビビしか呼ばないゾロの名だ。
「本当に大好きです。コーザは私のこれからを共にする伴侶として、大好きだし…人に言うのもどうかと思うけれど、婚約者として好き。でもそれとは別に、私はルフィさんもナミさんも、ウソップさんもサンジさんも、Mr,ブシドー貴方のことも、本当に好きなんです」
 固まったままのゾロに向けて、ビビは気高い程に凛とした顔でゾロを見つめた。
「嘘なんて一つもついていないわ。私は、貴方にも好かれているって分かっているもの。両思いね、そうでしょう?」 
 何も言わなくても、ビビは理解っている。
 そうして、ゾロもようやく頷いた。
「……そういうことか」
「言葉は曖昧だわ。特にあんな時では、後からどうとでも受け取れる。直に顔を合わしていたって、誤解されることだってある。誤解じゃなくても勘違いしたでしょう」
 目線で問うビビに、ゾロは苦笑してソファに背を預けた。どっと力が抜けてしまった。
「したな。びっくりした」
 心底疲れた声音に、ビビは小さく頬を膨らませた。
「それは私に失礼です。もう。…けど、だからこそ。もう一度。きちんとサンジさんと話してみませんか? 今度はきっと、サンジさんも本当のこと分かってくれると思う。そうしたら…どうするか、きっともっとはっきりサンジさんにだって分かると思うの」
「聞いても同じだと思うぞ…それよりも、もう一度聞きたいと思うとは思えないがなぁ…」
 ビビは肩を怒らせ、両手を腰にゾロに詰め寄った。
「それはMr,ブシドー一人の考え! 少しは私達が言うことも聞いてみてもいいと思うの。サンジさん、もうぐるぐるぐるぐる本当に酷い有様なんだから!」
 押されたように、さらにソファへ背を押しつけつつ、ゾロは深く息を吐いた。
「…あの眉以上にぐるぐるされちゃ、たまらんな…」
「そうですよ!」
「認めんなよ」
 苦笑しつつ、ゾロは頷いた。
 そうして、ゾロの誕生会は例年通りに執り行うことが決まり、ビビの浮き浮きしたメールが早速全員へと流されたのは、家庭教師の時間が終わる前のことだった。







少しずつ進んでいるんですよ…これでも!
2012.03.17




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