遠くて近い現実
[8]




「こっちだ! ゾロ」
 大きく手を振ったサンジに、周囲にいたコックコート姿の面々が驚いたように振り返った。
 見つめる先は、生徒が作った料理が並ぶ展示ブースの方だ。
 学生達は、サンジが待つ人物を見極めようと色めき立った。
 整った服装の大人達に混ざるように中学の学生服姿の少年がいる。展示されている料理の数々を見ていたらしい。少年の視線が呼びかけに鋭く方向を定めた。
 音がしそうな程に、まっすぐな強い視線。
 それを浴びた時、サンジの口元に微かな笑みがのぼった。

 サンジはこの専門学校でも有名人の1人だ。
 足癖が悪く、女尊男卑が激しく、口も悪いのにどこか面倒見がよく、しかも料理の腕は抜群。
 見てくれもかなりいい上に、金髪碧眼という日本においては最強アイテムまで揃えている。眉が巻いてるのがちょっと不思議ではあるが、痩身な上に高い身長。
 国内のみならず、海外でも評価の高いゼフという料理長を持つ有名店バラティエで幼い頃から修行をしているという箔もある。なのに料理に関してだけはまるで誇ることなく謙虚な姿勢は、学生達の中でも別格ともいえた。
 教師陣の間でも腕に関しての評価はかなり高い。
 一つ二つ全国の学生コンテストに今年は出品もし、そこでも随分と良い評価を受けていた。学園の代表としても、かなりな貢献をしていると言える。
 後は素行が悪くなければいいのだが、それは望む方が無理というものだろう。
 料理の腕と同じくらい、喧嘩っぱやくキレやすく女性に弱いサンジの悪行も有名だ。
 そんなサンジが今珍しく親しげに男名を呼んだことで、仲間全員が興味津々にその人物を捜したのは当然のことだろう。
 しかも彼が呼んだその名前は、サンジを知る仲間の間では有名なものだったから余計だ。
 あのサンジが自分の生活を半ば犠牲にして面倒を見ている子供がいるという事実だけでも興味を引きまくるのに十分なのに、たまに口にするその子供の名前が男名というのがまた余計な興味をかきたてる。
 サンジの口から稀に語られるその少年の名前が、本人の預かり知らぬ所で有名になったのも当然だろう。
 わずかな情報しか流れていないその話は、いつしかサンジの元から飛び立って一人歩きしていた。それはもう、あることないこと加わって尾ひれがつきまくり、何が本当か分からなくなってしまったくらいにだ。
 この2年間、合コンにサークル、学園の各種イベントにしても、誘ってくる者達は後をたたなかった。なのに家に世話をしなくてはいけない者がいるのだ、と言ってサンジは大概を断り続けた。十回に一回受ければ御の字、といわれたその口実の大元がどうやら来ているらしい。

 そんなことはまるで知らないゾロは、なんとか辿り着いたホテルに足を踏み入れ、ひたすらとまどっていた。
 なにせ人が多い。しかも場所は中心地のど真ん中にある、大きなホテルの広間を二つほど貸切だ。こんな場所には今の今まで縁すらなかったのだ。とまどうのも無理はない。
 そんな場所に来たのも、ここでサンジの卒業前の展示会、要するに生徒による料理の展覧会が開かれていたからだ。
 身内を呼んでこれまで学んできたことを披露する、という名目も孕んだそれは卒業する生徒の卒業試験も兼ねているらしい。実は毎年やっているらしいが、去年は呼ばれることはなかった。
 ゼフは去年は学校から来賓で呼ばれていたので、無条件で顔を出したらしいが、それだけだったらしい。今年は招待も何もかも辞退して、仕事に明け暮れている。
 その代わりのように、今年は来い、とゾロはサンジに命令された。
 丁度平日とはいえ、試験明け休みが重なっていたのも理由の一つだったのだろう。
 だが、サンジはこれで卒業する。
 学生最後のイベントだから見に来い、そう言われたら行かないわけにはいかない。
 ゾロは頷いて行くと約束した。サンジはまた一つ自分の上に行く。学生という大きな殻を脱ぎ捨てて、社会人になっていくのだ。
 このまま就職はバラティエに行くともその時に聞いた。ずっと働いていたのだから、当然だとも思ったが、そのうちに修行の為に他店にも行くことになるらしい。だが、その時期はまだ未定だという。まあ、そうなったとしても、自宅から通える所になるはずだ。今のままだったら。
 サンジに向かってやってくる少年に、周囲にいたクラスメイト達がじわじわと集まってくる。
 歩いてくるのを見ていた者達の反応は様々だった。
 緑の短髪に学生服。学ラン姿が妙に馴染んでいる。
 馴染んでいるのに…何か違う。妙に落ち着き溢れた姿は、本当に中学生か? と疑問を呼び起こす。しかも、すっと伸びた背筋の良い立ち姿と三白眼の鋭い眼光が、なんだか異様な迫力を感じさせる。
 見ていた女子の間では、カッコイイ少年だー! という歓声があれば、怖いと囁く者も、微妙に押し黙る者などもいて、反応が様々に分かれた。
 なのに男子に至っては、興味を持つものと、小馬鹿にしたように見る者と反応が真っ二つに分かれたのが見物だった。
 だが、どちらにしても、だ。
 これがサンジが面倒を見ている子なのかと思えば、意外の一言につきた。
 誰もが真っ先に思うのは、大きいということだろう。
 あのサンジが誘いを断って面倒を見るなら、小学生も低学年、それくらいの子供だろうと言われていた。…もしかしたら、サンジの子供なんじゃないか?…という噂まであった。
 なのにそんな噂の割には、大きい。しかも、奇妙に迫力がありすぎるのだ。
 自分達の知るサンジなら、酷く反発しそうなタイプに思える。目の前に現れた子(?)を大切に育てている…とは、納得できない。それが一番イメージに合わない。
 また誰かの世話になっているというのが、なんとなく、目の前にきた少年からは想像できないのも不思議だった。
「迷わずに来れたなぁ!」
 ばしばしと叩くサンジの掌を受けながら、少年は軽く片方の眉根を上げ、憮然とした表情を見せる。
「当然だ、あれだけ念押されればな」
 ゾロのポケットには、ナビ用の小型の端末が入っている。新聞配達の時に使うそれに、ホテルまでの道案内を記録させていたのだ。これで迷ったら、サンジの盛大な蹴りと罵倒が雨あられと降るのは目に見えていた。慎重にもなろうというものだ。
 そんな自分達をつい大人しく見守ってしまっている周囲のコックコートの人々を見回し、ゾロは綺麗な仕草で一礼した。
「御世話になってます」
 軽く頭を下げただけだったが、それはお辞儀の見本のような仕草だった。
 慌てたようにコックコートの面々がそれぞれが頭を下げたり、声を返したりしているのをクスクスと笑って見終えると、サンジはゾロに小さな券を差し出した。
「これがあれば、あっちの食事コーナーで好きなだけ食べられる。身内用の券だ持って行け」
「おう。で?」
 ゾロは券を受け取り、サンジを見る。その視線に、サンジの方がキョトンとした表情を見せた。
「で?」
「ああ、お前のは? あれは喰えないのか?」
 ゾロが指差したのは、展示スペースの方の奥だった。それを見た途端、サンジの顔に笑みがこぼれる。そこには、小さな重箱に詰められた、秋の模様を配した和食の膳が置かれているはすだ。それは、洋食を専攻していたサンジの思いがけない一面と腕で、日本料理の専科に進んだわけでもない者が作った卒業展示としては一際異彩を放っているものだった。
「よくあれがおれのだと分かったな、名札があるから当然か」
 笑い含みで言われれば、バカか、とゾロが目線で抗議してくる。
「名札が関係あるかよ、分かるに決まってるだろ。見りゃ一発じゃねぇか」
 普通は分からないのではないか、という周囲からの疑問に満ちた気配にはまったく気付かず、2人は普通に話しを続けていく。
「そうかよ、特徴ねぇと思ったんだけどな。お前には絶対わからねぇと思ったのに」
「見くびんな、アホ。どんだけお前の飯喰ってると思うんだよ」
「えっらそうに、たった二年程度で」
「…そのくらいだったっけな? まあいい。で、喰えないのか? あれ」
「ばーか、あれはダメだ。展示されている間に味も落ちる。今度また作ってやるから待て」
「…そうか…」
 どこか未練がましい返事に、サンジの笑みが深くなる。
 それを見ている者達が、じりじりと引いていく。なんだか異様なものが目の前で展開している。それだけは確かだと、その場にいたクラスメイト達は実感していた。
「でも、あれ今日一日だろ? 展示するの。全然喰えねぇのか?」
「いや? 味は落ちるが、まあ喰えなくはないぞ。この時期だから腐ることもないだろうしな。保存利くもので作ってる部分も多いしな」
 ゾロは頷いた。そうだろうと、思っていた。だいたい、サンジが食材を無駄にするような使い方をするわけがないのだから。
「なら、あれも喰う」
 きっぱりと断言するゾロに、サンジは目を見張る。そうして、この場にいる誰もが見たこともないような、鮮やかな笑みを浮かべた。
「不味いぞ」
「んなわけあるか。お前が作ったんだろうが」
 真面目な顔で言い切り、ゾロはサンジを見た。
「だから、来いって言ったんだな」
 今度はなんだか分からない様子を見せたサンジに、ゾロは軽く背後の展示へと目をやる。そうして、どこか深い響きを持つ声で告げた。
「あれ、おれのだ」
 ぼかんと口を開けたサンジに、ゾロは真摯に礼をのべた。
「ありがとな」
「なななななななななにいってくれてんだ、このクソガキめがっっ!!」
 瞬発力の見本とも思えるサンジの蹴りが飛んだ。この場にいる誰しもがその威力を知っている。展示だけはぶち壊すなよっ! と反射的に祈った者達は、しかし、その蹴りを見事に腕を交差させて受け止めた少年に、唖然と立ちつくすことになった。
「あっぶねぇな、この暴力コック!」
「てめぇがクソ恥ずかしいことを言うからだ、この大勘違い野郎め!」
「そうか? だってあれ、おれの好物ばかりだろ?」
 続けて飛んできた2旋目の蹴りをも防いでみせた少年に、見ていた者達から思わず拍手が湧く。サンジの蹴りに吹き飛ばされずに対抗できる者がいるなど、この学校の者は想像したこともなかったに違いない。
 対して真っ赤になったサンジは、怒髪天を突く勢いだ。
「とっとと喰いに行きやがれっ、こんのクソマリモ!」
「へいへい」
 券をひらひらと振り、歩き出す少年にサンジが唸りを発する。
 好物ばかりというのは否定しないのか! と内心突っ込む者達がいたのだが、それを口にすることはできない。
 ……凄いものを最後に見させていただきました。
 見ていた者達全員がそう思い、事実の方が噂より凄いことがあるのだと実感できたのが、彼らの人生に一番強烈なインパクトを与えることになったのは…また別の話である。


 食事を振る舞うコーナーの空いている席に座った途端、なんとなく注視されているのに気付いた。
 だがゾロにしてみれば、そんなことに気を止めるような神経はしていない。一応座れば注文を取りに来るというシステムらしく、奥から水色の髪を頭上でくくった1人の女性が近づいてきた。手には水の乗った銀色のお盆を持ち、服装はやはりコックコートだ。
「いらっしゃいませ。お一人ですか?」
 凛とした声音だった。
 柔らかそうな見た目とは裏腹に、しっかりとした意思を感じられる声音に、ふと目をやれば、大きな瞳が優しげに向けられていた。
 なんとなく不思議に思ったのは、その瞳に脅えるような色がなかったからだ。そう気付いたのは、微かに首を傾げてさらに見返してきたからだ。
「…お一人ですか?」
 一人で来たのだから、そうだろうと思ったが、多分先程のサンジとのやりとりを見られていたのだろうと解釈し、ゾロは頷いた。
「ああ、一人だ」
「んなわけあるか!」
 背後から跳び蹴りをくらい、ふらついたゾロの前で、いつの間に来たのかサンジが女性の前に膝まずいた。
「ビビちゃああああん! このスペースにいたのぉお! ちょっと探してたんだよ〜!」
「こんにちは、サンジさん」
 そんなサンジの様子にまったく動じる様子もなく、ビビと呼ばれた女性は笑顔で相対すると、
「あら、なら、この方はサンジさん付きでいいんですか?」
 どこか不思議そうにゾロへと視線を流した。
「うん、おれの券持ってるんだ、こいつ」
「ああ、ではサンジさんの大切な人ですね」
 差し出されていた水を含みかけていたゾロは、ぶほっと不用意に咳き込んだ。同時に、勢い良くサンジが机上に突っ伏す。
「…ああ、間違えるビビちゃんも素敵だけど…それはちょっと衝撃強い…」
 ゲホガホと咳き込むゾロに、慌てたビビがそっと背をさする。それを片手でやんわりと留め、ゾロは半分涙目になりつつなんとか息を押さえ込んでビビと呼ばれた女性を見上げた。
「わりぃ…大丈夫だから」
 真っ向から見上げてくる視線に、ビビは少し目を見開いて、ついで微笑んだ。
「ビビちゃんのお手を煩わすんじゃねぇよ、クソゾロめが。ああ、こいつは無情な程に頑丈ですから、気にしなくていいよほぉ!」
 大きく手を広げるサンジに明るい笑い声を上げ、ビビは楽しそうに頬を上気させる。
 明るい瞳が大きく、気品を感じさせる姿は確かにサンジが夢中になりそうな可愛さと可憐さが伺える。ゾロは息を整えると、そんなビビに改めて礼を言い券を不思議そうに振りあげた。
「もう大丈夫だ。で? この券なんかあんのか?」
「ああ、それは身内の人用の券なんですよ。1人につき一応二枚まで持つことができるんです。その券を持てば、ここでの食事は全部フリーになりますが、もう一つ、給仕も全部券を渡した人が行うことになっているんです」
「…なんでまた?」
「卒業するにあたって、どれだけの成果を身内に見せるかってのが入ってるからだよ。後、両親なんかに渡せば、お礼にもなるだろう? クソジジイはまず受け取ることすらしねぇだろうけどよ」
 ゾロはチラリとサンジを見て、頷いた。
 多分渡しもしなかったのだろう。渡せばあのゼフのことだ、絶対に来たと思うのだが、そういうのは多分サンジには分からないのかもしれない。
 他のことならなんでも見通せるくせに、サンジはゼフに関してだけは意固地になる。
 それは身内ならではのことなのかもしれない。ゾロには…ないことだ。
「一応、フルコースを振る舞うこともできるんだぜ。気合い入ってるだろう。食べていけ」
「…マナーを知らねぇ」
 投げやりに言うゾロに、サンジはしたり顔で頷いた。
「だからこそ、余計に喰えってんだ。こういう所でそれを知れ。お前和食は結構綺麗に食べるけど、ナイフとフォークとかは適当だろう。妙に肉切るのだけ上手かったりしやがって、中途半端なんだよ。教えてやる」
「…いや、別に必要ねぇだろうが」
「アホ、必要ねぇことねぇだろうが、家がバラティエですって言いながら、洋食のマナーも知らないって、恥かくことになんだよ。こういう所でなら、堂々と給仕しつつ教えることができるんだ。覚えて帰りやがれ」
 立ち上がったまま腕を組んでそっくりかえるサンジを見上げ、ゾロの表情がふと引き締まった。
「恥になるのか?」
「ああ」
「…そうか、なら仕方ねぇな」
 真剣な表情で頷くゾロに、ふとビビは困惑したようにサンジを見た。サンジはゾロを見ている。ゾロもサンジを見ている。なのになんだろう、見ている所が違う気がしたのだ。
「あの、サンジさん?」
「ああ、ビビちゃん悪かったね。ありがとう後はおれがするから」
「ええ…」
 言いながらもどこか困ったように二人を見比べる。ゾロは不思議そうにそんなビビを見て、首を傾げた。
「ビビちゃん?」
 サンジも不思議そうに見つめてくる。それに、ビビは決然とサンジを見返した。
「差し出がましいとは思うんですけど…サンジさん、ちょっと…」
 ビビはゾロに断るとサンジを引っ張ってブースの外に連れて行く。不思議そうに、でも浮かれてついていく男の背中をゾロはぼんやりと見送っていた。
 なんだろう、妙に疲れる。サンジが自分の知らぬ人と一緒にいる姿をこんなにはっきり見るのは、初めてかもしれない。
 そう考えて、当たり前かと思い直す。
 家と店でしか自分はサンジと顔を合わせていない。その他の時間は全てサンジだけの時間であり、自分は立ち入ることのない時間だ。サンジは外のことを家には持ち帰らない。多分沢山の人との出会いを持ちながら、家に持ち帰らないのは自分の為なのだろう。
 ゾロは持ち帰る程のものは、持っていないだけなのだが、サンジは違う。
 それはここに来て、はっきりと分かった。
 やっぱり自分はここに来て正解だった。こういう世界がサンジにあることを、ゾロは自覚していなければならないからだ。
 でなければ、すぐに自分は忘れてしまう。さっきだってそうだ。大人の世界の事情を無視するわけには、子供である自分はいかない。だが、そこに思い至らないのだ。わからないのだ。
 それは知らないからだ。
 だからこそ、サンジは自分に色々と教えようとしてくれているのだろう。以前厨房にいた新人のコックの1人が、よく怒られていたのを見ていた。だが、もう1人いた同じ頃に入った新人コックはやはり怒られるのだが、怒られ方が違うのに気付いた。
 なんでだろうと、その二人の新人を見ていて気付いた。
 教えられたことが大切なことだと、わかったか分からないか、なのだ。後はそれから後に続くものを、想像できるかできないか。
 そんなところなんじゃないかと思って、ゼフに尋ねてみたら、面白そうに頭をなで回された。
 多分、あってもいなければ間違ってもいなかったのだろうと思う。
 何かを極めようと思うものは、そういう答えの出ないものを必死に追うことなのだろう。剣道をやっていると、勝敗はきちんと出るのに、答えのないものにぶち当たることも多い。
 多分それと同じなのではないかと思う。そういう時は、師匠は小難しいことを教えてくれるが、あれも自分で考えなければならない。
 答えのない問題は、自分なりに答えを見つけなければならない。それは本当に難しいのだ。
       だから、とにかく自分はサンジを見ておかなくてはならない。
 ゾロには分からないあの男を見て、きちんと休ませなければ。
 あの男が安心して、恥をかかないように。勿論自分も恥をかくのは勘弁したいが、ゾロという荷物を大事に育てようとしてくれる人を…人達に恥じをかかせるのは、ゾロは嫌だ。
 卒業の展示に、ゾロのご飯を用意しまくってくれるような人物ならなおさらに。
 自分の知る人以外と一緒にいる姿を見るのが、嫌だとは…こんな小さな小さな子供のワガママのようなものを覚えることは、やめるのだ。
「もっと精神も鍛えねぇとな」
 小さく小さく呟いて、ゾロは椅子に深くもたれ込んだ。






2008.6.29
少し長めに…いかがでしょ?(笑) 



のべる部屋TOPへ